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大の映画好きでなくとも“Moon River”を口ずさむことはできるでしょう。
オードリー・ヘップバーン主演の『ティファニーで朝食を』の劇中で流れている名曲です。CGや派手なアクションはなくとも脚本と演技で見せた、いや“魅せた”あの不朽の名作ですね。その映画に登場する“ティファニー”!

12月に上京した際、2日目の朝に東京都庭園美術館にて開催された“世界を魅了したティファニー 1837-2007 The Jewels of TIFFANY”にも行ってきました。
前日、伊勢丹新宿店でティファニーを見て、この展覧会でその歴史をたどることができたのは非常に幸運で興味深いことでした。
創業者チャールズ・ルイス・ティファニーはヨーロッパの貴族の宝石を手に入れ、扱うことによりダイヤモンドの基準を早くから確立したそうです。
1858年大西洋横断ケーブルが開通したとき、ケーブルの残りを10センチくらいに切って少し飾り細工を施し、記念品として売り出し大好評だったというエピソードもおもしろいと思いました。人々が欲しいと望むものをいち早く感じとる才能があったのでしょうね。
その後も歴代の万博に出展し賞を受賞、いくつもの有名なデザインを生み出していったそうです。1粒のラウンドブリリアントダイヤモンドをプラチナの6本の爪でセットする“ティファニーセッティング”はあまりにも有名ですね。
しかし、長い年月の間、世界が平穏無事だったわけではなく、第二次世界大戦中の1942年に連邦政府が戦略上、プラチナを重用貴金属とし、翌年から宝飾品に使うことを禁止したので使用できない時期もあったそうです。これは1950年まで続いたそうです。
プラチナが女性を美しくしてくれるジュエリーに使われるということは、平和であることがまず前提だった、なんてあまり考えてきませんでした。
たくさんのまばゆい光を放つジュエリーの展示ケースを前に、グッと生臭い現実に引き戻されたように感じました。
私が一番印象に残ったのはステンドグラス作家としても活躍したルイス・コンフォート・ティファニーがデザインしたムーンストーンとサファイヤのブローチとネックレスです。
大粒の青い月の光を放つムーンストーンとプラチナが静かに調和していて、その世界に引き込まれそうな存在感でした。
もうひとつはトンボのブローチです。ブルーの胴体は蛍光ブルーがきれいなブラックオパールで、繊細な羽はプラチナです。まるで生きているトンボの羽のように繊細な模様は、プラチナだからこそ表現できたと思います。
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