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最近の流行であるお姫さまファッションの流れでしょうか。テレビや街中でも、頭に小さなティアラを着けている人たちを見かけることがあります。お姫さま=ドレスにティアラというイメージはかなり定着していますよね。
裏返すと「お姫さまじゃないとティアラは着けられない」という考えがあるということ。これは実は、ティアラの誕生以来、脈々と受け継がれてきた観念のようです。
ティアラの誕生は、古代エジプトにさかのぼり、王族や貴族のミイラに敬意の印として金のティアラが置かれたのが始まりのようです。後に古代ギリシアの細工師たちが美しさに磨きをかけたティアラを創り出し神々に捧げています。ギリシアの神々は特定の植物と結びつけて考えられており、神々を絵や彫像に表すとき、かならず頭上にはその神を象徴する植物のティアラが冠されています。植物の冠としてすぐに思い浮かぶ月桂樹は、芸術と詩の神、アポロの象徴でした。

身体の最上部である「頭」に着けるティアラは、人に神性をもたらすものとされ、「成功と地位と富」の象徴であり、特別な人だけが特別な機会だけに着けることが許される特別なジュエリーというわけです。
ちなみに今では、もっぱら女性が着けることが多いティアラですが、その昔は貴族や権力者などの男性も着けることがあったようです。オリンピックなどでもメダリストに月桂樹の冠が贈られたりしていますよね。
さて、「成功と地位と富」の象徴だったティアラは、製作された時代の政治や社会の歴史と密接に結びついており、デザインにも当時の最新流行の芸術様式が取り入れられています。
神の象徴である植物デザインから、ヴィクトリアン様式、ロシアン・スタイル、アール・ヌーヴォーと、時代と共にその形を様々に変えてきたティアラ。

現在、Bunkamuraミュージアムで催されている『プリンセスの輝き ティアラ展』も、時代ごとに展示が区切ってありましたが、本当に時代時代のカラーがはっきり出ていて興味深いことしかり。思わず解説のパネルも小さな文字に負けず(笑)、一生懸命読んでしまいました。ティアラって頭の上に載せる王冠の形のイメージでしたが、額にはめるタイプや羽飾り様式のエイグレットなど、びっくりするほど色々なタイプがあることも今回、初めて知りました。
そのティアラ製作に革命的な変化がもたらされたのは、19世紀末。18世紀に南米で発見されたプラチナの加工法が習得され、ジュエリーの素材としても導入され始めた時期です。プラチナの特性の1つである粘性をフル活用し、繊細で優美なデザインの軽いティアラを作ることが可能になったわけなのです。

その繊細さといったらもう感動モノ!とにかく薄い!横から見たときの薄さが、全く違うのです。さらに細工が細かい!プラチナを用いることにより、より繊細で複雑なデザインを施すことが可能となり、まあ、線の使い方から、留め方、留めてある宝石の使い方まで、驚くほど多種多様を極めていました。プラチナだけでなく宝石類のカット技術なども進んでいるので、昔は大きなルビーが、どーんっという迫力が前面に押し出されていたものが、19世紀末頃からの作品では、粒の大きさやカット違いの宝石を並べてコントラストをつけたものなど、もう感嘆しきりの技術がめいっぱい施され、輝くこと輝くこと。
ひとつひとつ移動しては「あれがいいかも」「いや、これも素敵だ」「やっぱりこれかな~」と身に着けられる可能性などありはしないことはあえて考えず、妄想を膨らまし続けました。
今回、集められたティアラは、どれも、生まれた経緯から持ち主の変遷まで華やかな歴史を持つ一級品ばかりで、その物語がまた作品に重厚感を与えていてため息を誘います。
女性なら誰でもが持っているお姫さま願望。ティアラはその願望をさらにくすぐるものでした。自分で所持しようなんて大それた野望は抱きませんから、せめて結婚式にちょこっと貸し出していただけないかしら。本当に5分でもいいから…と、夢を見ながら帰途に着いたワタクシでありした。
ちなみに「ひとつ選んでいい」と言われたら、私が選ぶのは…
うーん…。
うーん…。。。

同じ誕生日だという理由だけで、一方的に親近感のある故モナコ公妃、グレース・ケリーのティアラでしょうか…。
ああっ、でもっ!やはり着けてみないと、似合う似合わないはわからない。
とりあえず、試着を。
だめ?…ですよねぇ。

●プリンセスの輝き ティアラ展 ~華麗なるジュエリーの世界~
開催期間:2007年1月20日(土)~3月18日(日)
開催期間中無休
開催場所:Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷・東急本店横)
開館時間:10:00~19:00
※毎週金・土曜日は21:00まで
※入館は各閉館時間の30分前まで
お問合せ:『ティアラ展』テレフォンサービス
Tel 03-6215-4405(24時間/自動音声対応)
公式HP:http://www.ntv.co.jp/tiara/
主催:Bunkamura、日本テレビ放送網、読売新聞東京本社
後援:ブリティッシュ・カウンシル、フランス大使館、スペイン大使館
協賛:大日本印刷
協力:日本航空、日本通運、EPSON、JR東日本
企画協力:アートプランニングレイ
特別協力:アルビオン アート
※巡回展も順次行われます。
新潟展:2007年4月1日(日)~5月9日(水)39日間 新潟県立万代島美術館
京都展:2007年6月9日(土)~7月22日(日)39日間 京都文化博物館
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